ケルト人の芸術に心そそられた話。

今日のティアラ☆

TA-009:ダイヤレーン/フラットバック
CB-001:ダイヤレーン/フラットバック

後ろの布は見本でつけてみた端切れです。付属しておりません。
ティアラが後傾していてエキゾチックなイメージなのでより雰囲気のある画にしたくてヴェール的なものを付けて撮影してみただけ。
こういうのがお好みであればハンカチサイズのお好みの布をシニヨンてっぺんにピンでとめ、それを囲うような形でティアラを着けてみて下さいね☆

この使用例に限らず当店のティアラとサークレットは特に指定のない限り分離しております。
繋げることももちろんできるのですが、使いまわしということを考えたら分離している、または繋げるとしても脱着できるようにした方がいいと思うので。



昨日・一昨日は3月初日だというのに、ブログ休んでしまった。
図書館で借りたケルト芸術の本を見ていたら備忘録として記事を書きたくなって、でも読んだばかりの本を丸々一冊まとめるだけの理解力も文章力も伴っておらず、更新遅延orz
(本を書ける人ってホントにすごい)



ケルト人(ケルトじん、英語: Celt, Kelt kɛlt], Celt では sɛlt] とも)は、中央アジアの草原から馬と車輪付きの乗り物(戦車、馬車)を持ってヨーロッパに渡来したインド・ヨーロッパ語族ケルト語派の言語を用いていた民族である。

Wikipedia ケルト人 より


高校生の時に世界史を取っていたものの壊滅的にダメだった私が、今頃になってこういうところからも歴史を学びなおしたくなる衝動に駆られるとは。。。本の力恐るべし。

学んだことを自分の言葉で書き直すことによって理解が定着することを期待して備忘録を書くのだけれど、興味深い話が多くてとても膨大になってしまうので、とりあえず本の内容については今回は思い切って自分の好み・使えそうなデザインの写真についての記事だけをピックアップして、後々検索したい時にキーワードを探せる程度のまとめにしてみました。

極力後回しにしようと努めてもあれこれ書き留めておきたくなるほど、あっちこっち「へぇ~!( ゚Д゚)」だらけの内容の濃い本。



今回の教科書はこれ。
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前置き



簡単な時代背景



ケルトという言葉を聞いた時、漠然と昔々のヨーロッパ、ぐらいにしか思ってなかった私です。(どれだけ世界史嫌いだったんだ 爆)でもその認識は案外間違ってはいなかった様子。

ケルト人を「ケルト語を話す人々」という意味と解釈すると大変に長い時代、広範囲な地域を包括しているということで、考古学者達はケルト人を「中央および西ヨーロッパの広い地域の鉄器時代人」とするようになったそう。
いや、それでも範囲↓広くない?



これをひとくくりにとか無理すぎるでしょ


こんな広い範囲、時代でありながら残されている物から工芸・美術様式に共通点を見出し、どんなふうに文明が広がっていったかを探る考古学っていうのもロマンな学問だなぁと改めて思う。

ちなみに前述のケルト人の定義にある鉄器時代は前11世紀から(ヨーロッパの場合)、ということであるけどケルト美術と言えるようなはっきりした美術様式の発生は前5世紀になってかららしい。(だから上の地図も紀元前5世紀からの地図になってる)

そこからローマによって征服されるまで600年の間に作られる数々の作品の中に今の私達にも心地よく受け入れやすいデザインが既に存在するということも改めて考えてみればすごいことだなぁと思うのです。



大きな分類



ケルト美術は大きく2つ、あるいは3つの伝統様式に分けられています。



ヨーロッパ大陸のケルト -ラ・テーヌ美術



前掲の地図でいえば凡例の上二つ、斜線部分に示されているところですね。
フランス・ドイツ・オーストリア・チェコ・ポーランド…あたり?
バレエのストーリーの舞台設定になっていることが多い地域でもあるかなぁ
(白鳥:ドイツ、くるみ割り:ドイツ、ジゼル:オーストリア、コッペリア:ポーランドetc)
ケルト美術からバレエの舞台装飾品をイメージするのもまぁ当然と言えば当然なのかも。

ラ・テーヌ美術は前5世紀~前1世紀まで。ローマのカエサルがガリアを征服したことが区切りとなっている。(世界史だ。。)
土着の美術に、古典や東方を源とする美術が結びついたもので、関連性はあるものの、明確に違いが分かるらしい。
現存する作品は金工品が多くて、最も一般的なのは鋳造。今のアクセサリーの制作技術はここで既に生まれていた。浪漫。



島のケルト -鉄器時代のブリテン島とアイルランドの美術



前5~4世紀に始まり、紀元43年頃までの時期の美術。
大陸の方はローマの支配下に置かれて一旦消えた模様。
(ローマのクラウディウス帝に征服されることによる区切りなので、ローマの支配の及ばなかった地域→つまり島ではもう少し後まで続いた)

ラ・テーヌ美術と共通の要素が多いけれど、作品の多くは独創的で地域独特のラ・テーヌ美術様式となっているのが特徴。独創的故に分類が難しいということで何期かに分けて説明されているけれど、さすがに細かいので私的には大雑把にローマの影響がある前にしっかりケルト文様として確立された美術という程度で頭に入れておこうと思う。

素材はほとんど同じだけれど、ブリテン島では特に地を網代(あじろ)文様で埋める技法とエナメル細工が好まれたらしい。
(エナメルについては当方今のところ技法として採用予定はないので割愛する)



ケルト美術のルネサンス



5~12世紀にアイルランドで栄えた美術。(ブリテン島でもある程度盛んだった)
ローマのモチーフを借用している部分が大きいのが特徴。それまでは無かった表現媒体「装飾写本」が出
た。
何より大きな特徴は、ケルト系の人々がキリスト教に改宗したことにより、キリスト教的な作品の需要が増え、加えてローマの支配が終わって経済が徐々に回復したことで美術品、特に金工品は技術的にも芸術的にもものすごく手の込んだものになっていったこと。
ケルト美術はもともと緻密な芸術だと思うけれど、、この時代の写本の装飾を見ると本当、げんなりするぐらい緻密。(後に載せてます)



13世紀以降のケルト美術(ケルティックリヴァイバル)



ノルマン人がブリテン島やアイルランドに侵入したことで一旦途切れた。
その後は伝統として現れては消えということを繰り返し、19世紀になってはっきりと再生した。→要するに一つの装飾様式として私含め後世の人々の好みに合って再び使われるデザインになったということか。



宗教的な部分は省きます



美しいものを見るのは好きだし、自分も美しいと思ってもらえるようなものを作り出したいと思う私としてはどうやったら美しいものになるか、ということを過去の作品から学ぶのは当然のことだと思っています。

ただ私はクリスチャンなので、自分が作る物や売る物に何らかの意味付けをすることは致しません。
(鉱石は好きですが、それに「何とか運」をくっつけて販売するパワーストーンの類とか嫌いです)
昔の美術品って宗教的要素が強い(特にまじないの類)ものが多いので、どうしても文様とかには宗教的意味が付随してくるのですが、自分の仕事においては形以上のインスピレーションを得るつもりはないので、これも一応仕事に関するブログということで、各モチーフの宗教的な意味についての部分はあえて省略させていただきます。(キリスト教の象徴モチーフに関しても同様)

考えすぎよ~と言われるかもですが、やっぱり線引きはしておきたくて、、すみません💦

単なる知的好奇心を刺激する話題としては、なかなか面白いんですけど、それを利用して付加価値を高めるようなことはしたくないんですよね(^^;
(かの有名なアラベスク模様がイスラム教にとって世界の秩序を支配する原理を表しているからと言って、それを使った作品にそういう意味付けをして価値を上げるような事はしたくないというようなこと)



「ケルトの芸術と文明」に掲載されてるものから



では、写真に絞って素敵だなぁと感じたものをご紹介していきます。
(本当に絞るのがもったいないぐらい個人的に面白い話が多くて色々書きたくなって困るので、とにかく絞ることを意識して書きます!)



ヨーロッパ大陸のケルト ラ・テーヌ美術



左右対称モチーフの繰り返し





例えばこの馬車用の軛(くびき)飾り金具。
ケルト美術にはいろんなモチーフや象徴があり、特に植物文様が使われているものは多い。このモチーフも植物装飾のパターンで構成されている。

左右対称・全面に繰り返されるモチーフの並びは現代人にとっても受け入れやすいデザインですよね。



パルメット文様とか好き。


パルメット文様のモチーフ使いたくて作ったもの
私のレベルではこの程度しか生かせないけど(;^ω^)


チェシャー・スタイル



文様大好き魂がうずくデザインじゃない?




ぱっと見のデザインも素敵なのだけど、隠されたデザインというのが心そそられる。



隠されたモチーフ、人面が見えるだろうか?


チェシャー・スタイル、ネットでちょっと探してみたけどヒットしない。。
人面をとらえようとすると消えてしまうところから、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」に登場するチェシャー猫にちなんでそう呼ぶらしいのだけど、情報があまりにもなさそうだからまた別記事で書くことにする。



刀剣様式





刀剣様式は刀やその鞘に用いられ、装飾は掘り込みが主らしい。素材は青銅、武器なのでいわゆる装飾品と一緒に発見されることはほとんどないそう。
掘り込みによる線画であること、一般の装飾品のものより簡素で抽象的なものが多いようだから、刀剣様式のモチーフを探してみてもいいかも。。そのままティアラのデザインに使えるようなものは流石にないだろうけれど。



島のケルト



ガリアがローマに支配された後、ケルトは海を隔てた向こう側で1世紀ほど繁栄をつづけた。





線刻文様、線刻様式の作品色々。
流れるような「巻きひげ文様」「S字曲線」「ゼンマイ文様」。そのまま使ってみたくなる文様がずらり。
今度から刀剣の鞘もガン見することにしたい。



ローマン=ブリテン期



言葉通り、ローマの支配下でローマの影響を受けた作品。
トランペット・パターンの装飾がローマで広く用いられてたということを初めて知った。というかトランペットモチーフの文様があること自体知らなかった(^^;



なるほどトランペットだ


トランペット型ブローチに(左)「アエシカ」ブローチ(右)


「征服した先が持つ独自の言語や宗教、慣習などには干渉しない」というのがローマの支配の特徴と聞いたことがある。
ケルトの文様がローマ支配期に消えかけた、あるいは融合という形でしか生き残れなかったということはそれと矛盾していないか?とも思ったけれど、太陽と北風の話のように、押し付けなかったからこそ素直に受け入れることができたということなのかもしれない。
とはいえ、懐古主義もまたいつの時代にもあり、ただそのまま消え去るだけでなくケルト美術もまた復活して現代の美術にも影響を与えている。
そういうのを考えると他の歴史同様、美術も人の想像することのできる範囲に収まりきらない「動」なるものを感じさせて、そういうところもまた昔の美術品に触れる魅力なのかなと思う。



暗黒時代



えらく物々しい時代名だが、古代末期から中世へと向かう時代のことを指す。
ローマン=ブリテン期と共通する特徴が多いのと、線画であっても「渦巻」「三つ巴」「陰陽文」等ティアラには使いづらい図柄だったので、画像は省略。



ケルト美術のルネサンス



400年~1200年というこれまた長い期間の分類。
はっきり言って鑑賞する分には眼福だけれど、作る視点で見ると自分が何かを作ってると言いたくなくなるぐらい落ち込まされる。
参考とかインスピレーションとかの枠を超えているので、ギョエ~と思った分だけコメントなしで載せておこうと思います。。







13世紀以降のケルト美術(ケルティックリヴァイバル)



独自のケルト美術は12世紀で終了したということで、以後のケルト美術に関しては歴史的な隆興の解説はあるものの資料としてはあまり載っていなかったので割愛することにする。
(前述のタラ・ブローチを宝石商ウォーターハウスがコピーした「ロイヤル・タラ・ブローチ」とか復刻したい気持ちを実現させる動きはそれはそれでワクワクするものではあるけれどね)



おまけ



(ケルトノット?)



実はこの本には「ケルトの文様」で検索した時によく出てくる「ケルトノット」という言葉は出てこない。



googleでケルトノットを画像検索すると色々出てくる。


この本では「組紐文様」として紹介されているのでご注意を。

ケルトの文様の代表的と言われる組紐文様(ケルトノット)ですが、ケルトの美術史から見るとかなり遅い6世紀頃の出現で、それもケルト独自ではなく当時のゲルマン人芸術家達が既に使っていたということらしい。

組紐文様に限らず、「ケルト」で連想されるモチーフの多くはケルト本来のものではなく、他地域から取り入れたものを微妙に変化させているということで、「ケルトらしさ」というのはモチーフそのものではなく折衷主義・多様性にあるらしい。時代も分布も広範だからそりゃそうかもしれないけれど(;^ω^)

私達が思い描く「ケルト」のイメージというのはあくまでも「ケルト風」というものなんだなぁ、、ということを思い知らせてくれる本なのでした。
(締めがこんなまとめでごめん!!)



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